2010/03/25

第一回 全国学校図工美術 写真公募展


<東京都写真美術館で行われた「第一回全国学校図工・美術写真公募展」を見てきました。
これはAPA社団法人日本広告写真家協会と、全国造形教育連盟とのコラボレーション授業の3年間の実践の集大成といえる写真展でした>

自分の作品を自分で撮影する。しかも全員に、一人一台ずつ渡されたカメラを自由に使って写す。とても恵まれた夢のような授業である。
生徒たちのどの作品からも、どこで撮ろうか?どんな光でとろうか?どうやって写せばかっこよく見えるだろう? ちょっと変わった写真にしてやろう!と、考え抜いて、悩みまくって、真剣に集中して撮影したのがとてもよく伝わってくる。
そして、撮影した写真の中から自分のイメージに合った一枚をセレクトし、それを作品としてタイトルをつけ、それにコメントを書き添える。彼らの心のどこかで生まれた、ひとつのイメージが幾重にもわたり繰り返し、メディアを変えて表現されることで、それを見る者は、生徒たちの心象風景ともとれる奥の深い、色々に解釈のできる物語に接しているかのように感じる。造形、作文、写真と、感覚的なものを総動員して作られた作品はどれも濃厚で素晴らしかった。APAの審査員の方は、「賞という順位づけをするのが躊躇されるほどに、どの作品も個性的で素敵でした。」と表彰式でおっしゃっていたが、まさにそのとおりだろうと感じた。心の底から、みんなどれも甲乙つけがたく最高だと思った。生徒たちの写真とコメントを見ながら、このカメラを使った図工・美術授業が、今後彼らのものの見方や感じ方、表現の仕方にどんな広がりを与えていくのかを想像すると、改めて美術授業の重要性を感じてわくわくした。
そして、この試みを継続させることが、豊かな人生観や価値観としっかりとした意志を持った、日本の子ども達の育成に繋がると思った。
現場に出向くAPAのカメラマンの方たちも、先生方も大変な情熱でこのプロジェクトを実践されていることだと思う。そうじゃないとできないと思った。「素晴らしい展覧会を、どうもありがとうございます。おかげでたくさんエネルギーをもらいました。」

次回、第二回 全国学校図工・美術写真公募展は、さらにパワーアップしていることだろう。
今から、もうすでに楽しみである。

0 件のコメント:

コメントを投稿